2014年12月12日金曜日

試練の青島太平洋 その2





しかし、本当に山手線の網棚の上に荷物を置き忘れたのでしょうか?

いまひとつ、自信が持てません。



宝くじを購入したのは、有楽町駅の周辺です。

確か、そのとき、荷物を置いて購入したよなあ・・・

もしかして、そのとき、荷物を置きっぱなしにしたとかありえないかあ・・・


いや。そんなはずはないだろう。

1件目は、購入した宝くじを胸ポケットにしまった後で、確実に両手に荷物を持ってその場を離れたように思います。



2件目は?

「2件目って何よ」思うでしょう?


そう、僕は、2箇所から宝くじを購入したんです。

1件目は、父親に頼まれた宝くじ30枚。


そこでは、自分の分は購入しなかったんですよ。

しかし、人間って卑しいですよね。

ふと歩きながら、僕も買っておくかなあ・・

当たったら、儲けもんだしね。


これまでの経験から、どうせ当たることはないと知っているにもかかわらず、そんな、色気を出してしまったんですよね。


有楽町駅の改札の手前に偶然見つけた、宝くじ売り場。


そこで、10枚、バラを購入したんです。

現金の持ち合わせがなかったもんで、買ったのも、たった10枚です。



あの時も、荷物は下に置いたに決まってます。

もしかして、あそこで?


それから、有楽町駅のホーム。

電車を待つ間に、確か荷物は置いたはずです。

そのとき二つの荷物を持っていたかは不明ですが、荷物を置いた記憶は記憶は鮮明です。


だいたい、あそこで仕事のメールを見たのが、今回の敗因です。

返信のメールに、「何かあったら、この電話番号まで」という自分の個人の携帯番号を入力するのに、番号がうまく打てなくて、モタモタして夢中になってしまったんです。

夢中になりながら、電車が到着したので、作業を中断して、電車に乗り、電車の中で、また作業を開始しました。




だとすると、もしかして、有楽町駅のホームに荷物を置きっぱなしとか、ありえないかなあ・・・


そんな記憶を紐解きながら、荷物を探して貰っている遺失物係のお兄さんに、ずうずうしくも尋ねて見ました。




「あのう・・・もしかしたら。もしかしたらですけど」

「有楽町駅のホームに置きっぱなしって可能性もあるかもしれないんですけど、有楽町駅の人に聞いて貰えますか?」



すると、そのお兄さん。

すこし苛っとした表情で


「有楽町駅は、すぐそこなんで、電話で確認するより、自分で行って確認されたらどうですか・・・」


へっ。そうですか。

仕方ありません。



とにかく、遺失物係りのお兄さんによると、とにかく、対象の電車が曖昧なので、電車が1周して戻ってくるのを待つしかないとのこと。

1台は、車庫に入ったらしいですが、その電車からは、別段忘れ物は発見できなかったいう情報は入ってきたようです。


とにかく、問題の電車が戻ってくるまで、あと30分くらいです。

その間にじっとしているわけもいかないので、有楽町駅に向かうことにしました。

可能性をひとつひとつ消していくしかありません。


「じゃ、調べてきます」


そういって、遺失物係りの部屋を出ようとしました。



「あのう、荷物はそこに置かれても、保障はできませんよ。無くなっても・・・・」

そんな忠告をお兄さんにうけます。



しかし、荷物を持って走り回るわけにはいきません。


「わかりました。でも置いていきます」


何はともあれ、ここにまた戻ってくるしか手がないわけです。

そういって、一目散に有楽町駅に向かいます。



向かいながら、もう1回、降りた電車の位置を確かめるために、降りたときのホームに行ってみます。


記憶の頼りは下記です。

(1)降りた場所は、エスカレータのところで、そのエスカレータに乗るための、少し戻ったこと。

(2)立った場所は、優先席の前で車両の隅だったこと。



7号車だ。

しかも6号車寄りの場所だ。


その記憶をやきつけて、僕は、浜松町の駅を後にしました。


つづく






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