2015年6月23日火曜日

2015 野辺山ウルトラ 再び  その6 (久しぶりに更新)



5キロを通過した時間が、確か28分台でした。


後方からスタートしたので、スタートに4,5分かかったとしたら、とてつもないスピードです。


良く覚えていないんですが、昨年は、多分最初は6分半ペースだったように思います。

それを考えると、確実に去年より速いはずです。


これは、絶対、間違いありません。




しかし、去年は踏切で立ち止まりましたが、今年はなんと電車が通った後を僕が通過したわけです。

どういうことなんでしょう?


電車の時間も、野辺山のスタート時間もほぼ同じはずです。




いや、今年の僕の今走り。昨年より、絶対速いはずだ。


だとすれば、また、すぐに次の電車が現れるはずです。

その時間の電車こそ、僕が昨年立ち止まらされた時間の電車のはずです。




踏切を難なく超え、線路の横を暫く走りながら祈ります。



電車、来てくれないかなあ・・・

来てくれれば、去年より先に進んでいる確実な証拠になります。


絶対、去年より速いはずなんだけどなあ・・・




しかし、電車はなかなか現れてくれません。




やっぱおかしいよなあ・・・


という事は、どう考えても、去年より遅いんじゃないかしら。

突然、不安に掻き立てられてきました。




去年は、とにかくギリギリでゴールしたわけです。

このままじゃ、去年より遅くて、へたすると制限時間内にゴールできないかもしれない・・・

そんな不安が、まだ5キロちょっとしか走っていないのに湧いてきました。


もし、そうだとすると、これはやばいぞ・・・




暫くすると上りが始まりましたが、少し頑張って走ります。

だいたい、去年は、こんなところで記念撮影なんてしていたからなあ・・・



今年の僕は違います。前しか見てません。

真剣に走っています。





するとどうでしょう、

10キロの通過時間が、60分とちょっとでした。


こ・・・これは凄いんじゃないかしら?去年と比較して。

このままいくと、42キロ地点を4時間半で余裕で通過できるかもしれません。


僕の心にも、少し、余裕が出てきました。



確か上りは20キロまでだったような。

最高地点に2時間半で辿りつけば、暫くは下りだったと思うので、脚さえ大丈夫なら、42キロを4時間半で通過できるだろう・・・




今考えると、どうして、そう考えてたのかわかりませんが、ふと、そう考えてしまいました。




今年の僕は、昨年より、絶対速いはず・・・・

そう思いながら走りますが、前の二人の会話を聞いて、少しびっくりします。




「ええっ、野辺山の後方って、こんなに混んでるの?全然走れないじゃん」

「ちょっとトイレで遅くなったんだけど、野辺山がこんなに混んでるとは知らなかったよ」

「これ、結構後ろの方じゃない?」

「ゴールできんのかな?こんなんで・・・・」



きっと、普段は凄いスピードで走る人なんでしょうけど、そんな会話を聞くと、僕まで心配になってきました。




えっ?実は僕って結構後方なのかしら?

素直な僕は、そう信じ込まされてしまいます。




そんなこんなで、上りは、ゆっくり歩くはずでいたが、少し焦って走っていたら、なんだか眩暈がしてきました。

こりゃやばいぞ・・・




いや、きっと大丈夫なはずだ。

10キロを6分ペースできていたんだから、昨年の僕より10分は前を走っているはずだ!!

だいたい、彼らは、普段はきっと10時間位で走る人なんだろう・・・

ごまかされてはいけないぞ!!



そう言い聞かせながら、上りはゆっくり歩くように進みます。




すると今度は若い男女のが会話が聞こえてきました。

どうも、同じランニングクラブのようです。


「いや、去年、最後の関門は突破できたんだけど、20分遅れでゴールしたから完走できなかったんだ」


その若い男性ランナーは、制限時間を超えて走った経験を、いかにも悲壮感たっぷりに彼女に伝えてました。

その二人が僕の前を走っているわけです。




ええっ、こいつらと同じなのか?

なんてこった!!

こりゃ、真剣にまずいかも・・・



そうはいっても、少し走ると眩暈がして、どうにも力が入りません。

とにかく前に進まなければ・・



つづく