2014年11月29日土曜日

初めてのフルマラソン 東京マラソン その3

そういえば、家族が応援していると言っていた、10キロ地点の救護場所の後方。 


目を皿にして探してみましたが、見つかりませんでした。 

大弾幕持参で来ている筈です。

前日、子供が作っていました。 

走りながら、「パパ」と書いてある弾幕を見て、それを持っている子供や奥さんの顔を次から次にチェックしますが、違います。

僕の家族ではありません。 

どこにも居ません。 

約束の場所は遠に過ぎ、既に、田町のNEC本社前。 

結局見つけられませんでした。 


通るのが予定より遅すぎたのでしょうか? 
まさか怒って帰ったわけではあるまいな!

それにしても、ランナーを掻き分けながら、沿道を見ながらと大変な作業です。 


なかなか、着いていくべき、適当なランナーもいません。 

ペースメーカーみたいなランナーがいれば、その後ろにくっついて走れば楽かな?と思いますが・・・ 


ようやく、前にスペースが出来て走れるようになったのは、銀座についてから。 


なぜか、多くのランナーが沿道側を走ってくれたため、道路の中央側にスペースが。 


僕はそこを走ります。 

今回初めて、気持ち良く走るような気分で。 


「パパ」 



聞きなれた声に振り返ります。

我が子です。 


ようやく見つけました。いや見つけられました。 

しかし、僕は道路の中央側。

本来は沿道側を走るように指示を受けていましたが、スペースの関係で、命令無視。 



手を振っただけで、先に行ってしまいました。 

「せっかく応援にきたのに・・・・」 

後から言われてしまいました。 


東国原さんなどは、沿道に挨拶しながら走っていたとのこと。 

そんな余裕を持って走れるって、凄い実力なんですね。 

確かに僕には余裕がありませんでした。 


このままでは、ネットで4時間をきれない。 

前半のスローペースを取り戻そうと気持ちに余裕がなく、少し焦っていました。 

スペースをみつけみつけ、銀座の街を走ります。 



銀座では、折り返しの速いランナー達が右側を走っています。 

このまま,反対側の車線に出てクルッと折り返せば気持ち良く走れるだろうな?


そう,いかがわしい事を考えていたら、谷川真理と思しき人が、これまた道の中央を走りながら、反対方向から走る僕の方に向かってくるではないですか? 

「な・・なんだ、なんだ」 

「す・・スイマセン。変な事を考えてました」

思わず誤ってしまうほどの驚き。

なんで自分に寄ってくるの・・・

知り合いでもないのに。 

とんだ人違いか? 

それとも何か、僕が反則でも? 



自分の下半身を確認しますが、至って正常。 

すると彼女は、僕の目の前を走っている人にタッチして、すぐ、反対側の車線の沿道側へ 


「アピールしなきゃアピール!!」みたいな事を叫びながら。 

意味不明。




なんだ、僕じゃなかったのか? 

まあ、そうだよな。


しかしビックリしたなあもう!! 




25キロの給水所も近づいてきました。 

心に余裕が出来てきたので、ここで、秘密兵器。カーボショッツ!! 

スタート前に御呪いをかけたので、オシッコなんか怖くない。 

ボトルをはずし思い切って口に含みます。 

それから、給水所で手渡してもらったスポーツドリンクを一飲み。 

よし。 

ボトルを元に収めようと思ったら、さあ大変。

ボトル留めが外れてしまいました。 


しまった。 


必至にボトル留めをショーツに留めようとします。 

しかし、はまりません。 


これはやばいぞ。 

左手には、カーボショッツのボトル。右手にはボトル留め。 


両手がふさがってしまいます。 


これで、風が強くなって帽子が飛ばされたら、対処できない。

そもそも、次から、どうやって給水に対処するのだ。 



もう捨てちゃおうかな?

いや、銀座で家族に手渡すか・・・それまで両手がふさがるのか? 

ますます焦ります。 

またまた、ボトル留めをズボンにはめてみます。 

なかなかはまりません。 

走りながらが無理なのか? 

立ち止まって、気持ちを落ち着かせてはめてみます。 

嵌まりません。 

時間が気になります。

諦めて、また走りだします。 


いや、絶対嵌まるはずだ。 

走りながら、嵌めてみます。 

嵌りません。 

最終的にまたまた、立ち止まり、深呼吸。 

今度はゆっくり嵌めてみます。 

わかりました、逆さまに嵌めようとしていました。
嵌まるはずがありません。 

ようやくボトルを納めて、走りだします。 

せっかく気分よく走っていたのにのかなりのタイムロス。 

スタート前のおしっこといい、今といい、こんな物付けて走るんじゃなかった。

今更ながら後悔の念が。 



そのころになると、また渋滞してきました。 

多くのランナーが、沿道から中央に戻ってきました。 

ちょっとズルをして、反対側の車線を走ってみますが、係の人に怒られます。 




雨も降ってきました。 

浅草を折り返すと、向かい風になります。 

ここからは、誰かについて行こう。 

誰についていくべきか、周りの人を物色しながら走ります。 

結構快調に外人さんが横を抜いていきました。 

おおっ。いい走りだ。 

こいついについて行こう。 

僕はピタッと後ろについて、暫く進みます。 

しかしながら、この外国人の兄ちゃん,すぐに立ち止まり、歩き始めました。 


どうやら、こんな調子で進んでいる人のようです。 

駄目だ。他に良い人はいないのか? 

できれば、このままゴールまで競い合いながら一緒にゴールして、友情を分かち合えるような・・・ 

そんな感動の物語を一緒に演出してくれる人はいないものか? 

とにかく、前のスペースがないので、うっとうしい。 

道の中央側を走りながら少しずつ抜いていると、後ろから 「ウォウォ」と怪物のような声が。 

前方の僕をクラクションで注意して、「どけどけ!」と伝えているようです。 

素直な僕は、早速彼に道を譲ります。 

どうやら60歳くらいのお爺さんです。 

ピッチはゆっくりですが、ストライドを大きめに、「ウォウォ」と叫びながら走っていきます。 
頭にはタオルを鉢巻き代わりにして。

後ろから見ると,なかなかいい脚をしています。

42キロ持ちこたえそうな脚です。


この人だ!! 

この人なら、回りを蹴散らしながら進んでくれる。 

僕は、このお爺さんについていく事にきめました。 

お爺さんも,見事に期待に応え,右に左に叫びながら、走ります。 

僕の為に、道を開けさせているような感じです。 

いいぞ、いいぞ。 

頑張れ爺さん!! 

ゴールの暁には、二人で友情を分かち合おうじゃないか!! 

しかし、ガーミンの時計を見ると、6分ペースから上がりません。 

このままでは、ネットで4時間は切れない。 

またまた、焦り始めて先を急ぎます。 

そのころになると、右足の親指が少しずつ痛くなり始めました。 そして、それをかばって走っていたため、これまで一度も痛くなったことがない、左脚のお尻の辺りに違和感が。 


これからという時に不安要素がでてきました。 
このままでは、キロ5分ペースで走らないと、ネットでもサブ4は達成できません。 

大丈夫か?

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